フランスの小さな村の逸話
2009/11/27
◆20代前半からポール・オースターの小説を読んでいるんですが、あの人の本の中にはいろんな逸話のようなものが入っているんです。登山家の話とか、極貧時代の話とか、クリスマスの話とか。
店をやっているとあまり人は来ないんですが、いろんな職業とか趣味とかを持っている人が多いので、この人はと思ったら僕は色々とその、不思議な体験をしたことはないですか? といったことを訊くような人間になったっぽいです。
興味があるのは霊的なものじゃなく、なんというかその、あれはなんだったんだろう? という納得のいかない話というのが大好きで、色々訊いているんですがなかなかそういった話を持っている人というのは少ないのかもしれません。
◆そんな前フリがあるのだからやっぱり一つネタがあるんです。
以前、僕がヨーロッパを一人で歩いていた頃、ドイツからフランスに入り、その後もたらたらとフランス国内を1ヶ月半程歩いていたとき、フランス南西部にあるとある小さい村に着いたんです。
その村は山間部にあって本当に小さく、フランスの最も美しい村の一つとして登録されて、世界遺産にもなっている村でした。
そこに着いたのが多分19時か20時で、辺りは真っ暗で怖い怖いと呟きながら傾斜の急な坂道を登り、いつ着くのよと思いながら顔を上げたら、すぐに大きな教会が見えたので急ぎ足で村に入ったんです。
村に入っても人はまばらで、とにかく寝る場所を確保しなきゃと教会裏にある修道院に入り、すみません、泊まらせてくださいとお願いしたら部屋に通されて晩飯を頂き、そのまま眠りました。
翌朝、教会の神父さん7~8人と共にご飯を食べ、神父さんたちは 「日本語しゃべってよ」 と僕に言ってきたんだけど、僕は 「いや、神父さん達が日本語喋ってみてよ」 と言ったらば、7~8人いた神父さんたちは
「カンカン コンキン カンコンキン」
とよくわからない呪文みたいに彼らのイメージする日本語を話し、僕は一人、 「ヴ コォー アベブベ セ ボン」 とフランス語っぽい言葉を並べて1分くらい、お互いにお互いの言葉のイメージで話をし、最後にみんなで笑いました。
朝食を食べ終わった後、一人の神父さんが 「あんた、面白いからもう1泊してきなさい」 と僕に言い、え、すみませんけどじゃあ泊まらせてくださいとお願いしました。
するとにっこり笑ってこう言います。
「この小さい村に、日本人の夫婦が住んでるんだ。 ちょっと行ってみないか?」
はい、長いので続きは明日。
【本日のスケジュール】
1.スタッズベルト
この 「本日のアリノハネ」 で初めての翌日への引っ張り。
うん、そんなびっくりする話でも無いんだけど、この話が好きなんですよね。
