大晦日


 遂にやってきてしまいましたね、大晦日が。
 今夜はこの街の大きな広場に行って、スペインの空にドカンドカンと咲く花火を一人寂しく観にいってこようと思います。
 スペインにはご存知の通りシエスタ (昼寝の時間) があり、昼過ぎはどこの店も閉ってしまうのでやけに慌ただしい午前を過ごします。昼前にその日の食料を買い溜めしておかないと16時半までは何も食えないという状況になってしまうので、そのスペイン時間に慣れていない僕はやけにあたふたしています。
 それとやっぱり新しい靴を買ってしまいました。ドイツとフランスとの国境の街でも買ったんですが、やはりこの距離を歩き続けると、穴は開くわ、底はツルツルになるわで買わざるを得ないということになります。
 あぁ、早く仕事見つけないと靴代だけでかなりの出費です。
 そうそう、昨日は 『大晦日の前祝い』 ということで日本食を食べに行ってきました。店の名は 『山口』。 やはりどこにでも日本食のレストランはあるものなのだと感心しながら、早速店の中へ。
僕 「こんちはー、この『昼のメニュー』ってやつ下さい」
女 「…? brん ちおp がんfなえ?」
僕 「ん? いやいやいや。この昼のメニュー下さい」
女 「…」
僕 「…。 え? 日本人でしょ?」
女 「…」
僕 「あぁ…。 メニュ ポルファボル」
女 「バレ(OK)」
僕 「…」
 米はタイ米。 店員全て中国人。 オーナーだけがスペイン人。 店の名前が 「山口」 さん。
 これはもう軽い詐欺でしょ。
 まぁいいや、今夜はこの旅始まって以来の祭りです。酒飲みに行って、飯食いに行って、スペインの女の子を見に行ってきます。
 では皆さんも良いお年を。
P.S
 もうね、この際だから年賀状書きます。年賀状が欲しいわぁという方がいたら、住所と氏名を書いてメール下さい。普通の絵葉書が届きます。
 では

P.S のんびりしてます


 皆さんこんにちは。元気してますか? 僕はまぁいつも通りな感じです。
 『2004年がもう終わるというのに、寒い中を歩きたくない』 と、山田がワガママを言うので、今はそこそこ大きな街の安宿の狭い部屋の中で、一人のんびりとしております。
 現在こちらの時刻は朝九時。こんな時間から缶ビール飲んでます。だって、一本25セント(35円くらい)だよ。これで飲まなきゃ情熱の国に来た意味がありません(←屁理屈)
 今考えている予定としては、元旦にこの街を発ち、のんびりと歩を進めながらスペイン語を勉強していこうかなと思っています。スペインは治安が悪いと聞いていたけれど、今のところそんな気配は全くありません。
 とにかくいつも通り、調子に乗りすぎず、調子こいていきますんでこれからの旅日記も楽しみにしていて下さい。
 明日はいよいよ大晦日ですね。本当にこういう時期になると、ますます日本食が恋しくなります。
 今まで散々我慢してきたので、明日は本当に贅沢三昧してやります。後悔しても構わねぇ、俺は食いたいもんを食うんじゃいといったところです。
 それでは、また明日。

自分が嫌い


 時々 『自分のことが嫌い』 だと言っている人がいます。そんな人の為に、今回は山田からメッセージを贈りたいと思います。
 まず、 『自分のことが嫌い』 だと言う人、もしかしたらこのHPを読んでくれている方の中にもいるのかもしれませんが、その 『自分のことが好きになれない』 という感情は、僕から言わせればそれはとても喜ばしいことです。
 それはなぜか?
 はい。
 それは 『あなたがとても良い人だから』 です。
 自分のことが好きになれないというのは、結論から言うと 「まず第一に、他人のことを考えられる優しい心の持ち主だから」 なのでは無いでしょうか?
『あの人はあんなに頑張っているのに、自分は何も出来ていない』 だとか
『あの人のようになりたいけれど、自分にはその一歩を踏み出す勇気が無い』 というのは、客観的に自分を見ることが出来る 『眼』 を持っているからで、自分のことしか考えられない人間には少々理解し難い感情だと思うのです。
 恐らく、そういった 「自分嫌い」 の人というのは、周りに沢山の協力者がいるのにも関わらず、その人達に迷惑を掛けることに対して拒否反応を起こしているのだと思います。
 その 「拒否反応」 には二種類あって 「他の人達に迷惑を掛けたくない」 という人と 「他からの助けなんてものはいらん、自分一人で出来るから問題無い」 と考える人がいるのだと思います。あぁ、ちなみに僕は確実に後者です(←弱ナルシスト)
 そう、つまりは、もしも前者の考えの持ち主が 「自分嫌い」 なのであれば、周りにいる器の大きな友人・知人・家族があなたを助けてくれます。それは確実です。絶対です。
 そして僕のように 「いや、自分なら何だかんだで上手くやるから問題無いです。だってわたくしは天使のスマイルを持ってるのですよ。アッハッハッ」 と思う人であれば、他からの助けを断って、自分で道を切り開いていくべきだと僕は思うのです。
 つまりは、自分が嫌いだと思うのであれば、とにかく他からの有り難い提案に感謝しながらもそれを断らず、グィッと顔を上げて背筋を伸ばして自分の目的、または計画を実行していくべきです。それでも 「でも迷惑だと思うので…」 なんてことを言い続ければ、その人の目標は消え去ってしまうような気がします。 『苦労すれば成功する』 なんてのは嘘っぱちです。苦労しなくても成功している人なんて世の中には沢山いますよ。僕だってこんな馬鹿みたいな旅をしているけれど、それを 『苦労』 だなんて考えたことは一度もありません。これはただの遊びに過ぎませんから。
 あなたが思っている程、他の人達はあなたに協力することに対して 「迷惑だ」 などとは考えてはいません。それは絶対です。なぜなら、あなたはその協力者達を納得させるだけの優しい心、寛容な心を持っているからです。僕のように自分のことしか考えられないような人間には、自分のことしか考えられないような人間が集まる、もしくは誰も近寄りませんし、あなたのように他の人の心をじっくりとそして大らかに考えられる人の周りには、それと同様の人達が集まります。 『類は友を呼ぶ』 ということわざに間違いはありません。だって、夜の街にたむろしている集団の中に、一人だけ眼鏡をかけて、イタリア語のテキストを読んでいるピッチリ横分けの人なんて見たことが無いでしょう? それと同じです。
 他の人に迷惑を掛けたくないという気持ちはわかります。しかし、自分の目的を達成したいのであれば、他からの提案を断ってはいけません。もしも他からの提案が無いのであれば、自分から 『協力して欲しい』 と訴えることです。仮に一時は拒否されても、あなたの気持ちは確実に伝わります。
 僕の大好きなヘミングウェイの 『老人と海』 の中でも、自分の孫くらいの少年にコーヒーを奢ってもらうことに、主人公の老人は全く拒否反応を起こしません。それはその老人が、他人に気兼ねすることが本当の誇りを傷つけるわけではないと知っているからです。
 自分の目的を 『本当に』 達成したいのであれば、自分のケチなプライドなんて投げ捨てて、その後の輝かしい未来だけを見続けてください。もしもそれを 『恥じ』 だと考えるのであれば、あなたは大きな勘違いをしています。そこを修正することが出来るのであれば、必ずあなたにとって喜ばしい出来事が起こります。
 そう思いませんか?
 僕は本当にそう思います。
 誰が書いたのは全然覚えていませんが、僕の好きな一文があります。それは
『石ころが石ころであるように
 野に咲く花が野に咲く花であるように
 ならばあなたもあなたであるように』
 という言葉です。他人と自分を比べることには何の意味も無いし、何の価値もありません。あなたがそうしたいのであれば、あなたはそうすべきです。
 少しでも僕の気持ちが伝わってくれたのであれば、僕がここに書いた意味があるのだと思います。
もう一度言います。 『他人と自分を比べることに何の意味もありません。あなたはあなたです』
 もう一回書く? 『他人と自分を比べることに何の意味もありません。あなたはあなたです』
 それを忘れないで下さいね。
 以上、自分のことしか考えられず、何一つとして達成してもいないくせに、自分のことを 『日本が生んだ奇跡だ』 と勘違いしている、自分のことが大好きな性格最悪の大馬鹿者、山田和史からのエールでした。

山田の馬鹿


 『さてと、こっちのクリスマスをお届けに行きましょうか』
 そんなことを考えながら、この街のインターネットカフェへと鼻歌をフンフンしながら歩くこと10分。
 (今日は早めに切り上げて、昼間っから酒を飲みましょうや)
 店のドアを引っ張って 『あぁ押すのか』
 店のドアを押してみて 『建て付けが悪いなぁ、コンチキショー』
 店のドアを見てみたら 『閉ってるよ、馬鹿山田』
 『ですよねー』
 『だって、今日はクリスマスですもんねー』
 いや、すみません。思いっきり忘れてました。
 そんなわけでこれから更新します。

胡散臭いおっさん


M 『おい、見たか? 今の車! フロントにカメラ付いてたぞ』
 マーコスがそう言っていたので、僕もその車の方を見たけれど、すでに僕らの50m程先に走り去った後だった。
 おかしな車もあるもんだなと僕らが笑って歩いていたら、『いかにも』 『いかにも』 胡散臭い男二人が、こちらに近付いてきた。
 『フランス語話せる?』 と訊いてきたので、マーコスが話せるよと答えると、二人はベラベラベラベラウヒャウヒャウヒャウヒャと話をし、もう一人のビデオカメラを持ったほんの少し胡散臭い男が、僕に英語を話せるかと訊いてきたので、少しだけと答えると、僕らは巡礼者のドキュメンタリーフィルムを撮っているんだと言った。
 するといかにも胡散臭い方のおっさんが寒い寒いと言っていたので、僕がフランス語で 『サムクナイ』 と言うと
『ウォーッ!! 寒くなーいっ!! 寒くなーいっ!! 俺、泳ぐっ!!』 とか叫びだし、雪山に向かってダイビングし、マーコスも負けたくなかったのか 『違う!! こうやって泳ぐんだぁっ!!』 とか叫びながら、いかにも胡散臭いおっさんと一緒に雪の中を泳ぎ回っていた。
 僕と少しだけ胡散臭いおっさんは爆笑し、笑い疲れた後に僕は少しだけ胡散臭いおっさんに 『ねぇ、毎日こうなの? 疲れない?』 と訊くと、少しだけ胡散臭いおっさんは急に真顔になり 『もちろん疲れる』 と答えた。