今年一の良い夜じゃ 後編

 なんとか目的地である入善漁港についた僕らは、小雨の降る中で早速釣りと焼肉の準備を開始した。
 僕とミャケ君は七輪で火を起こし、ミャケ子とMBは僕らの中ではすでに固有名詞として成り立っている 「アウトドアライフ」 の組み立てと、肉の準備を始めた。
 アウトドアライフ↓

 このアウトドアライフ。 先月リサイクルショップに行ったときに店頭にゴミみたいに扱われていたもので、これを開くとテーブルになり、中に折りたたみのイスが4脚入っているという優れものである。
 雨の中、外でわざわざ濡れながら食べるのもあほくさいと、車の中を整理してそれを中に突っ込む。
 即席の素敵ダイニングが出来る。
 こんな場所である↓

 さていよいよ釣りを開始しましょうかと、僕とミャケ君は暗がりの中で釣り糸を垂らし、どう? いや全くダメっすね。 うん、まいったなぁ と言っていたら
「肉食べよー」 との声。
「じゃあ、肉食っちゃいますかねー」 と、さっさと僕らは釣りを諦め、焼肉、否、YAKIKIKUを開始した。
 じゅー じゅー じゅー
 いやー 美味そうだなおい。
 車の中でテーブルを囲み、ろうそくの炎を見ながら酒をがぶがぶ。
 至福。
 肉を食う。
 うまい。 とんでもなくうまい。
 酒を飲み、肉を食い、僕はやめろというのにミャケ君はお得意の下ネタを連発して僕ら3人を閉口させ、僕は地球環境と食糧問題について熱く語るものの、ミャケ君お得意のウンコやらチンコやらの話にかき消され、ほんっとミャケ君ならそういうの好きだからなー
 もう まいっちんぐまちこ先生。
 まいっちんぐ まいっちんぐ。
 僕らは予想以上に飲み食いし、もうだめ、釣りは明日起きてからぁ~ と、車の中に布団を敷き、ミスター ジェントルマンの僕はミャケ君とミャケ子に布団で寝て良いずら宣言。
 MB、尊敬の眼差し。
 僕は運転席、MBは助手席で変な体勢で眠りに入り、明日は小雨だっていうから、ばしばし釣って商売商売じゃー と眠りに就く。
 午前4時。
 物凄い轟音で目を覚ます。
 外、どしゃ降り。
 車の全ての窓を開け放っていたために、布団が軽く濡れているっぽい。
 それでもミャケ君&ミャケ子は爆睡。
 僕は彼らが雨に当たってはいけないと、降りしきる雨の中車外に出て、そそくさと片付けを始める。
 ミャケ子はその音に気が付いて目を覚まし、軽く手伝いをしてくれた。
 その後である。
 ミャケ子は言ったのだ。
 うん、ここまで書いて飽きてきたんだけど、やっぱり続きを書くべきなんでしょうか?
 えーとね、この後ミャケ子が 「虫に刺されたかゆいかゆい」 ってずーっと騒いでいて、どこよ? って話になったんだけど、結局刺されてなくて、この子豚野郎と僕が半ギレになりました。
 朝8時に帰って、このまま終わるのは嫌だぃ と、近くのスーパーで魚を買ってきて、まーた車でメシ食いました。

 白米にお茶をかけ、そこに魚を突っ込んで食べました。
 まさに至福の一時でした。
 ミャケ君たちは15時くらいに帰り、僕は一眠りし、20時頃にあかねちんが遊びに来てチャビに足の裏の匂いを嗅がれているのを良いことに、僕はあかねちんの二の腕をジェントルマンスピリッツで以ってギュンと掴み、うん、ぷるっぷるだねと言いました。
 そしたらあかねちんは、
「昔付き合っていた彼氏にね、この二の腕、ある意味テロみたいなもんだよね と言われたことがあるんだ」 と、晴天の中で飛んでいる飛行機を眺めるような顔つきで寂しそうに呟いたので、僕はただただ心の中で
 どんまい あかねちんこ と言いました。
 それに気付いたあかねちんは少し我に返り、でもお母さんはこの2倍あって、おばあちゃんは3倍あるよと言いました。
 僕はそれを聞いて、心の中でこう呟きました。
 家族3代で どんまい。
 チャビはとても可愛い犬で、俺とかミャケ君には尻尾を振って媚を売るけど、MBとかミャケ子とかあかねちんとかにはがんがん飛びついていって、こーらだめでしょチャビスケ。女の子には優しく接しないとだめなんだぞ と、女の子の前で好感度が上がるような台詞をさらっと言えるシチュエーションを作ってくれます。
 チャビスケの屁はとても臭く、本当に笑えないくらいに臭くて臭くて、でもチャビスケは自分の屁だと気付いていないのか、その匂いを追って自分のケツの匂いを嗅ごうと必死になり、その辺を今もぐるぐると回っています。
 僕はそんなチャビを見て思うのです。
 ドンマイ 山田家 と。
 見たいんでしょ?
 うん、そんなこと言って、ここまで読んでるんだから見たいんでしょ?
 よぉーしわかった。 おじさんが皆さんのリクエストに応えちゃるぞなもし。
 これでしょ? 見たいのは?


 ほんっと、可愛いよねー。
 それと皆さんにそろそろ発表しても良いんじゃないかなと思うので、書いてしまいます。
 これを知ってるのは、僕の家族と親しい友人だけなんですけども
 実は俺
 子供がいます。
 男です。 今9ヶ月です。
 チャビスケ同様、アホみたいに元気に育ってます。
 嘘だけどね (スッテンコロリン☆)
 完

今年一の良い夜じゃ 前編

 富山県の入善に行ってきた。
 メインとなるイベントは 「釣り」 である。
 メンバーはすでに皆さんお馴染みの 「山田」 「ミャケ君」 「MB」 「ミャケ子」 「チャビ」
 そう 【故郷はやっぱり東北以北の人の会 富山支部】 のメンバー4人と1匹。
 出発は土曜日 21時。
 場所は最初から入善漁港とは決まっていたんだけど、入善漁港へ行ったことがあるのはミャケ君&ミャケ子の 「乗っかりコンビ」(※)。
 晩飯の為に肉と酒を大量に買い込み、あれもこれもと買い進むうちにチャビ用の巨大なボールまで買ってしまうという暴挙までも起こし、一路メンバーは入善漁港を目指す。
 さぁ~て 目的地には無事につけるのかな?
僕 「ミャケくん、この道真っ直ぐで良いの?」
ミ 「あぁ だいじょぶっすよ。 このままで真っ直ぐ」
僕 「ほんとに?」
ミ 「うん。なぁ? この道だよなぁ?」
 そう訊かれたミャケ子は
「え? うん、なんか通ったような気がする」
 そんな曖昧な情報を頼りにひたすら目的地を目指す。
 こっちでいいの? うん大丈夫っす。 なぁ? え? うん、通ったような気がする。
 そして走り続けること約1時間。 【入善漁港】 の看板を発見。
僕 「いやー ミャケくん凄いね。 俺方向音痴だから一人だったら来れないわ」
ミ 「前に一度来たことあっからすよ。 なぁ?」
 そしてミャケ子は
「え? うん、前に来たことあっから、ここ通った気がする」 の一点張り。
僕 「じゃあミャケ子さ、このままいけば着くんでしょ?」
ミ 「うん、だいじょぶだと思うよー。 たげそのままだずら」
僕 「おっけー。 あ、あと1.7kmだって。 もうすぐだね」
ミ 「んだ」
 走ること10分。 どう考えても1.7kmは過去に通り過ぎ、変な細い道をくねくね走るもミャケ子はただただ 「ここ、前来たとき たげ通った気がするんずらっぺよ」 と言い、ミャケ子がそう言うならとそのまま走り続けた。
 そして看板が見える。
 「黒部市」。
 富山のことを何も知らんって方がほとんどなので補足として書くと、富山から新潟方面へ走った場合、富山→滑川(なめりかわ)→魚津→黒部→入善→朝日→新潟 という順を追うはずなのだが(俺も曖昧)、その夜は、富山→滑川→魚津→黒部→入善→黒部と走っている。
 どう考えてもこのままだと Go Home。
僕 「うん、こりゃどう考えても逆走しているっぽいので一度止まりまーす」
 無人駅に車を停め、情報収集をせにゃならんとうろちょろするも誰もそこにはいないずら。
 たげ困った。
僕 「ミャケくん、これどうしよ?」
ミ 「多分、さっきのとこに戻って、途中で右に入るのかもしれないっすね」
MB 「あだし、ちずを゙見でみ゙る゙」
 MBはケータイで地図を見て、あぁやっぱり逆みたいだから一端こっちに戻ってから、さっきのとこ右っぽい と、いつもMBらしからぬ結構まともなアドバイス。
 じゃあ、行きましょか。
 ここまでくると、元来意地悪な僕はミャケ子に質問をする。
僕 「ミャケ子。 このまま真っ直ぐ?」
 すると
うん、前にも通った気がする
山田&ミャケ&MB  「 まーたかい 」
 ミャケ子はちょっとあれな女の子で、チャビを飼おうとしているときにこのメンバーでチャビの名前を考え、とにかく 「良いねそれ」 ってのを紙に書き、その中から消去法で名前をつけようという 「銘々が命名するヘイヘイの会」 という真剣な会議を開いていた。
 僕は 「じゃあさ、ぼたん ってのはどう?」
 すると皆は 「うん 悪くない」
 ミャケ君が 「クランキーってのは?」
 「良いね。 チョコ美味しいもんね」
 MBが 「チャビは?」
 おー なんかアホだけど可愛い犬って感じだねぇー
 そして問題のミャケ子は
「 ポチ 」
山田&ミャケ&MB 「 うん、それは無いわ 」
 そしてまた僕の番になり
「ぶらんでぃー ってのはどうさ?」
 うん、なんか山田家の犬って感じがする。だって人前でそんな名前呼びたくないもんね。
 MBが
「けだま ってのは?」
 うん、良いね。MBさ、ネーミングセンスあるっぽいな。
 そしてミャケ君が
マメ ってのはどうっす?」
 おーおー良いんじゃない? マメって良いね。
 そう一同が盛り上がっている中、続いてまたもやミャケ子の番。 僕達はオリジナリティー溢れる名前を期待した。
 するとミャケ子は言った。
「 オマメ 」
僕 「いや、それ、【お】 を付けただけでしょ…。 ミャケ君の案が喜ばれたからって、それに乗っかっちゃだめよ… なんか卑猥だし…」
 するとその空気を察知してか、ミャケくんが新たな候補を出した。
「あ、じゃあ、釣りに連れて行きたいから、ツリー ってのはまずいっすかね?」
山田&MB&ミャケ子 「 うん、それも無いわ 」
僕 「だってさ、釣りに連れて行くときしか本領発揮できないっぽいんじゃない? 一度、釣りから離れた方が良いね。 よーし、名誉挽回、ミャケ子、一発ガツンと良いやつ言っちゃってちょうだい」
 そう話題をふられたミャケ子は、僕の 「釣りから離れた方が良い」 という言葉を丸無視し、その日一番のとんでもない名前を発表した。
 その名は
「 釣り子 」
山田&ミャケ&MB 「 まーた釣りかい! 」
 こうして物語は、怒涛の後編を迎える… !!

少し長い日記 ~大人の男になるには?~

 物事の始まりというのは大抵の場合、とても個人的で、その上決して結論の出ない些細な疑問から生まれるものである。
 先日、職場のオーナーに突然こんなことを訊いてみた。
 それを訊くまで、誰かにそんなことを訊いたり、何かのきっかけがあったり、自分なりにそのことについて調べたわけではなく、いつもの思いつきでただなんとなく訊いてみたいと思っただけだった。
 質問の内容はこうである。
「オーナー、いきなりなんすけど 【俺、大人になったな】 って思った瞬間とかあります?」
 その質問を突然浴びせられ、オーナーは特に考えることもなく
「ない」 と即答した。
「いや、なんつーかその、やりたいじゃないすか」
「何を?」
「なんかこう、【大人の男】 っていうか、【ダンディズム】 っていうか 【ニヒリズム】 っていうか、そういった感じのそれをやりたいじゃないすか」
「いや、別にやりたくないけどね」
「そっすよね。 俺も別にやりたくないっす」
 そのときから、僕の飽くなき探究心、そのテーマは 【大人の男とは何ぞや?】 が始まった。
 この難解な問題を解決し、それを見せずに心の中にしまい込みながらも、時折見せるニヒリスティックな素敵山ちゃんを目の当たりにした可愛いオネーチャン達を キュン☆ ってさせる場面をさりげなく作るのが今回の壮大なプロジェクトなのだ。
A子 「え? 富山の山田くん? あぁ知ってるよ。 下ネタばっか日記に書いてる人でしょ?」
B美 「あ、知ってたんだ?」
A子 「嫌だよね、いっつも可愛いオネーチャンがどうだとか書いてさー」
B美 「ねー やだよねー」
A子 「…。 でもさ…」
B美 「え? なに?」
A子 「なんか… その  大人の男 って感じが時々するよね?」
B美 「やっぱりー?! あちしもそう思っとったんじゃけーん!!」
A子&B美 「キャッキャキャッキャ☆ キャッキャキャッキャ☆」
 だ。
 そこで僕は考えたのだ。
 大人の男とはつまり 【普通は恥ずかしがるようなことを案外当たり前にさらりとやってのける】 という部分があることは否めないのではないか。
 きざっぽいこと、粋な男ぶってる(通称 粋がってる)、寡黙。
 それらを嫌味にならないぎりぎりのラインに留めながら、それを当たり前にやってのける。
 それが出来たら、僕はもうニヒリスト和史に変身だ。
 そのような流れで、僕は一人、意を決した。
 やってやる。
 俺は大人の男になってやる。
 普通は恥ずかしいと思うようなことを、当たり前のようにさらりとやって、それを遠くから見ている可愛いオネーチャンのハートのミュージック ミューズィックをキュンキュンという音色で奏でるのさ☆
 やってやるぜぃ。 見ててくれ父ちゃん。 父の日の翌日に 【あ、そういや昨日父の日だったっぽい。 まぁ いっか】 と瞬時に判断したこの素敵な息子の晴れ姿。
 天国から見守ってってくれぃ!!!
 まだ生きてるけど!!
 僕は風呂に入り、歯を磨き、先日まーた自分で髪を切り、長めの鬼太郎カットから脱却した短い素敵ヘアーをセットして車に乗り込んだ。
 ラジオからはビートルズが流れ、瞬時に僕は ずぅとるび を思い出し、山田隆夫って本当しょうもないよな と思った。
 でも
 僕の母親は
 山田隆夫の嫁と、同姓同名だ。
 山田家のばかやろう。
 車を走らせること5分。
 僕は目的地に着いた。
 車を降りる瞬間、僕はアームストロング船長の言葉を思い浮かべた。
ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ
 しかしこの場合
人類にとっては小さな一歩だが、ひとりの人間にとっては大きな飛躍だ
 である。
 僕は入り口から店内に入った。
「いらっしゃいませー お一人様ですか?」
「はい、お一人様です!」
「では、カウンターへどうぞ」
「はい」
 席に着こうとしたときにふと考える。
 目の前を通り過ぎていく皿に乗った握り寿司。
 時折、プリンやメロンも僕の前を通り過ぎる。
 この状況はどう考えても、前述の
普通は恥ずかしがるようなことを案外当たり前にさらりとやってのける】 に当てはまっている。
 回転寿司を一人で食いに行く29歳。
 しかも、カウンターに一人。 向かいには家族連れがあははと笑いながらシースーをベーターしている。
 あははは
 がやがやがや
 ははは
 がやがやがや
 え? その笑いは家族間での笑いであって、一人で回転寿司を食いに来てる俺のことじゃないよね? 違うよね?
 嘘でもいいから違うって言って
( 怖い… 笑われるのが…  怖い… )
「あ、すみません! 持ち帰りって言ったんすけど!」
「え?」
「寿司、持って帰ります!!」
 5分後、1人前500円の寿司パックを手に僕は車に乗り込んだ。
 この敗北感。
 大抵の場所、飲食店には全然一人で行けるのに、どうしても 【回転寿司】 というそのステージには立てない。
 なぜだ? なぜ回転寿司はそんなにも俺の自尊心を傷付けるのだ?
 結果のわからぬまま、負のオーラ満載の空気と共に我が家に帰る敗北者 山田。
 ちきしょう 回転寿司め…。
 ちきしょう…。
 駐車場に車を停め、玄関の扉をゆっくりと開くと、チャビがすでにしっぽをぶるんぶるん振り回して接吻攻撃をしてきた。
「はーい ただいまー。 こぉーら ちゃーび。 こぉーら」
「あー、ちゃんとおちっこできたのぉー? えらいねぇー よぉーしよし おかしたべるぅ?」
「待て  おすわりは?   よぉーし  はい食べて良いよぉ」
 元気を無くした飼い主を心配してか、チャビスケはやけに顔を舐めてくる。
「チャビスケ…。 父ちゃんなぁ 負けたよ。 負けて帰ってきちまったんだ…。 負けちまったよ 世間に…」
 寿司を一人ぱくぱくと食べ、簡単に部屋の掃除をした。
(もう酔うしかねぇべ…。 そういやオーナーに巨大な梅酒をもらったんだ。すんげぇ酸っぱいって言ってたから、ジンジャーエールで割って飲むかな…)
 チャビスケに 「留守番ね」 と僕は言い、近くのスーパーに向かった。
 そのスーパーの隣には美容室があって、客の顔が道路側に面している為に、時折カットされているお客さんと目が合うのだ。
 こんな惨めな日には、可愛いオネーチャンがカットされてるとこでも見て、少しは元気を取り戻しますかね。
 そして
 僕は見てしまったのだ。
 惜敗した大人の男への第一歩。
 それを僕は、その美容室でカットされているお客さんによって、完全なる惨敗であったことをまざまざと見せ付けられたのだ。
 そのカットされている客は
 推定 10歳。
 小太り
 ほっぺた無駄に赤い
 そして、カットされているにも関わらず
 10歳くらいの歳のくせに
 手には
芥川龍之介  羅生門
 軽く口が尖ってる。
 これはまさに
普通は恥ずかしがるようなことを案外当たり前にさらりとやってのける
 だ。
 こっちは自分で髪を切り、古本屋で105円の本を買って喜んでいる29歳。
 梅酒をたらふく飲み、部屋が暑いから今は完全に加齢臭が出ているだろう。
 チャビの野郎はソファの上で眠り、俺は安い折りたたみのイスに座ってパソコンをぱちぱち。
 おい、このやろう。
 やっと年齢が二桁いったくらいの坊っちゃんよ。 これだけは一つ言ってやる。
 お前のリッチな両親にも伝えとけ。
 お金 ちょーだい。

全く解せぬ本能という名のシナプス

「まーたその話かい」 って思われようが、別段そんなもんは気にしません。
 いや
 チャビの話なんだけどさ、どうする?
 うん。
 昨日はチャビスケと共に近くの海に遊びに行ってきて、こりゃ日々の特訓の成果っちゅうもんを浜辺で戯れるナウなヤング達に見せ付けておやり! っていう、その、いつも通りのうざったい考えでね、やれフリスビーだの、やれボールだの、やれお菓子だのを持ってエンジョイオンザビーチしてきたんですけども、いやこれまいったなって思ったんす。
 家の中ではもう、ボール投げりゃほっほぃと喜んで持ってきてさ、フリスビーも自分の体くらいあるそれを必死こいてこっちに持ってくるっていう微笑ましい姿を見て、うふふこの子ったら と新米ママ的なと言うべきか、精神的公園デビューを艶やかに彩っている山田くんとチャビスケなんですけども、いざ海に行ってボールを出してね、可愛いオネーチャンも一緒に連れてこーい つって、ほれー! つってびゅーんと投げるんですけども
 しょんべんじょろじょろ。
 いやいやいや、俺に恥かかせるってのはどういうこっちゃいなこれと、必死こいてボール取りに行ったらば、チャビスケはその姿を見て追いかけてくるわけです。
 時々フェイントとかかけちゃうくらいのハイな俺は、よーし今度こそつって、まーたボールを自慢のサウスポーでポーと投げるんだけどもね、あれ? と思ってチャビスケを見ると、その辺の草とかを食ってたりするわけ。
 ったくこのやろうつって、まーた必死こいてボールを拾いに行ったら、それを見たチャビスケが後ろからどさーと走ってきて、俺がボールを持つとまたシカトってのを延々繰り返し、気が付いたら自分でボールを投げて、それを本気のダッシュで取りに行くという、まるで可愛いオネーチャンに 『おっす☆ いつもオチャメな29歳の山田だけど、YOUは元気してるのかな?』 ってメールを送って、4キロくらい離れたその可愛いオネーチャンの家にわざわざ会いに行って 『メール 読んでくれた?』 つって、『うん』 て言われてまーた家に帰って、『で、さっきの話なんだけど、俺も元気だよ☆』 ってメールして、まーたオネーチャンの家に行ってその返事を聞く というようなね、つまりその
 どっちが犬だかわかりゃしねぇ ってアレなわけです。はい。
 で、そのチャビスケのトイレなんですが、一応かなり高い確率で脱糞&放尿するんですけども、ウンコをしたときにね、それを俺はハードボイルドにトイレットペーパーで掴んでトイレに流すんですけども、チャビスケはどうもトイレに入りたいらしくて、ドアと俺の隙間に頭を突っ込んで突進しようとするから、こーらだーめでしょ と言いながらそれを阻止して水を流すんだけどもね、いつからかチャビスケはその阻止している僕の右足にしがみつき、腰をくぃくぃくぃくぃくぃくぃ動かすわけです。
 いやいやいや 気持ち悪いって と言いながら、日々それは繰り返されているんですけども、このところそれがどうも習慣化されて、他のときには全くそんな素振りは見せないんだけど、ウンコを流すときだけは腰をくぃくぃやるわけです。
 うん、どうもならんなこれ。
 えーと
 そんだけなんだけど
 どうしよっか?
 あ、結婚しようか?
 よし、結婚しよう。
 まどっかっぺ、りおちゃん、ざっきー  この3人はすでに彼氏or旦那がいるわけでしょ。
 あかねちん、がーつる、とみこんぐ  この3人はそのー…。 なんつーかその、ちょっと残念な感じになってるよね。
 うん
 チャビと遊ぼ。
 

車の鍵と、ちからのモーメント

 鍵が無い。
 いくら探しても鍵が無い。
 そういう経験、誰にでもあると思うんです。
 僕は恐らく3日に1度は鍵を無くし、「やっべー 鍵ねぇって」 とぎりぎりの時間に気付いて、あっちかなこっちかな、あっちに入れたっけ こっちに入れたっけ やべぇやべぇやべぇって、あ、多分そこだな、あれ違うか。
 えーと、昨日車から降りました
 そんで、玄関開けました
 チャビが出迎えました
 うふふってなったべー
 そんで? 左手は多分チャビ触ってるから右手が空いてて
 えーと どこよ。
 あっちか?
 ちょ チャビスケあっち行ってろ 遊んでんじゃないんだから いやいやいや、だぁ~め、こぉ~ら。
 こらチャビ。 俺は鍵を探してんだから、飛びついてきたら だぁ~め。
 ん? お、このやろう。 やりやがったな
 こちょこちょこちょこちょ
 こちょこちょこちょこちょ
 こちょこちょこちょこちょ
 こちょこちょこちょこちょ
 こちょこちょこちょこちょ
 か~わいいなぁ~ お前はもう ほーんと か~わいいなぁ~
 どしたの? ん? どちたのぉ~?
 眠いんでちゅか~?
 は~い じゃあソファで寝てなさい。 そうそう、えらいね~
 そういった生活を繰り返している。
 いや
 そういった生活を繰り返していた。
 そうだ。 実は数日前から僕はそういった無駄な焦燥感に駆られることの無い、とても清々しい生活を送っている。
 発想の転換一つで、そんな焦りとはサヨウナラな生活。
 山田は生まれ変わったのだ。
 つまり、ネオ山田が誕生したってわけだ。
(ほほぅ…。 山田のやつ…。 またお得意の素敵な発想で、鍵を失くさない方法を見つけたんだな? やっるぅ~)
 と思っているあなた。
 正解 である。
 そう、どのような解決策を取ったのか気になるだろう。
 じゃあ、全国の 「すぐに鍵を失くしちゃうお茶目っ子」、通称 【ロスター】 な方々に朗報だ。
 こうすれば、鍵を失くして困っちゃったよーえーんえーんとならない方法をここで伝授しよう。
 必要なものは3つだけ。
 車の鍵、思い出す力、愛犬チャビ。
 この3つがあれば、もう鍵を失くして困ることなんて無い。
 説明しよう。
 まず、昔、理科の時間に習った【てこの原理】、つまり力学(だっけ?)の言葉で説明をしていくと
 車の鍵  →力点
 思い出す力→支点
 愛犬チャビ→作用点
 と当てはめることが出来る。
 車の鍵はどこだ? こ~らチャビ、 あ! 鍵はそこか!
 という、素敵な方程式。
 つまり、少々難解だが物理学的な言葉を使って説明すると
 素敵方程式
 を使う。
 僕が行う素敵な思考はこうである。
「鍵が無い」
「どこだ?」
「(おっと…。ここで焦っても見付からないんだから、少し立ち止まろう)」
「ちゃびー」
「よぉーし がっはっは」
「鍵を探してんだけど、お前どこにあるか知らんべ?」
「うん、知らないね」
「…。」
「いや、どこよ? 机の上か?」
「え? こっち? えーと昨日着てた服は何だっけ?」
「あぁ、今日と同じか」
「え? どこ?」
「いや チャビスケ。 お前ちょっとうるさい」
「見付からん」
「どこよ?」
「チャビスケ、お前そこでションベンは無いわー。 しかもこのタイミング。 どったけバッドタイミングよお前。 バッドタイミンガーだなほんと」
「いややべぇ。 時間無いって」
「いや本当見付からん。 今日ばっかりは本当見付からん」
「じゃあ」
「今日は」
合鍵で
 車の鍵を失くして、すでに1週間。
 もう
 諦めよう。
 人生に諦めってのは必要だからね。
 ざっきーは結婚しちゃったし、りおちゃんには彼氏出来ちゃったし、まどかっぺも彼氏できたなあのやろう。
 あかねちん、がーつる、とみこ。
 ↑の3人は全然彼氏出来そうにないけど
 まぁ
 しゃあねぇべ
 だって、俺に 「誰か紹介して」 って言う時点で、もうダメじゃん。
 よし、この際だから、ぴやのやさんでも紹介してやっかな。
 絶対 「大きなお世話だ。 ってか、この際だからってどういう意味よ?」 ってキレられるんだよな。しかも軽く本気で。
 あ、ケースケとかいってみる?
 無理無理。 一生恨まれるわ。 「あんたが紹介したケースケってのと結婚したけど、これって一体どういうこと? こっちがむかつくわ」 とか言われてさ、損害賠償的なもの払わされて、なぜか山田家までもが一家離散的なあれになるわ。
 チャビスケも 【里親募集】 とかやらにゃならんくなるっての。
 あとは誰かいるかな?
 ミャケ君はダメでしょ、ミャケ子が屁という名のオーラでガス中毒攻撃してるし。
 うん
 で、何の話だっけ?
 チャビスケ ←チャビ
 おやすみなさい。