草むしる

 

 こりゃいい加減に草をむしらんとダメね。

 そんなスローガンを掲げて店の周りの草むしりを始めたわけなんですが、それまでの長い放置期間がある為にそりゃもう相当な長さにまですくすくと成長しておったんです。

 こりゃもう、何かのアイテムを使うしかねぇべさ と相成り、ホームセンターに行って (せっかくだから店の前を畑にしちまおう) とよくわからない山田のシナプス君が命令を発してきたために、どのクワが最も畑を耕すのに適しているのかとムンムンムンと唸りつつ、980円のクワを見て 「よし、これだ」 と店内で独り言をぶつくさ言い、それを持ったまま、まーたドライバーとかスケールとかが置いてある棚まで歩いてね、「このプラスドライバー欲しいぜー」 と一人で祭りをしとったわけです。

 あぁ、このドライバー良いなぁ

 この1mの定規欲しいなー

 この木槌買っちゃおっかなー

 と、得意の 「ホームセンターのマーケティングに食われるの術」 を使っておったんですが、結局またまた 「まぁ、持ってるからいらないんだけどね」 となりまして、クワの棚に戻りました。

 この振りかざしタイプのクワだけじゃなく、小さくて女の子が使えそうなのもあれば

「山田っち☆ あちしも畑耕すぞ☆」

「わぉわぉ☆ おいらは君の屯田兵さ☆」

「もう☆ あちしの根っこを奪う気ね☆」

「エヘヘ」

 とかよくわからんこと言えるかなぁと思ってね、298円の小さいのも手に取りました。

 それから除草剤も吟味して、よぉーしこれでおいどんも立派な耕しマンだぜー とレジに行き、ピッとやって、ひゃくまんえんです と言われたのでひゃくまんえんを手渡して、さて店に戻るべかとフンフフンと出口に向かったら、僕が持っていて振りかざしタイプのクワが長いのを忘れていて、出口の自動ドアがまだ開ききっていないのに突進した為、駅の自動改札で券を逆向きに入れて ビー となったときのような感じで僕の前にクワの柄がドアでかっちり固定され、意識ではわかっていても体は前進したために

「げぇーーーー」

 って自然に声が出て、僕は痛いお腹を痛くないフリをしながら、後ろを振り返らずに店を出ました。

 そんな良い一日でした。