ヨーロッパ最終日

f:id:yamadakazufumi:20170925231744j:plain

明日には飛行機に乗って帰国するので、本日が今回のヨーロッパふらふら最終日。
特にこれといってしなきゃいけないことも無いので、朝から近所を歩きながら写真を撮り、買い物をして昼飯を食べて帰ってきました。

ここで今回の旅の総括を、と思っているんだけど、なんだろね、すごく普通な感じなんです。
以前2年半くらい海外に住んでいたことがあったからってのも多少は関係あるとは思うんだけど、結局のところ自分が生まれ育った街からとても遠いところにあるけど、そこには身体的な特徴の違いはあれど多くの人が住んでいて、その国々で国民性の違いってのはあるけど、結局やっぱり僕にとっては引越し先の候補地としてそこを捉え、冷静に実生活をしてみるようなシミュレーションをしてみたら、結果、どこだって良いやというとっても残念なように見えるかもしれないけれど、とても有意義な結果が出たというのが今回一番の収穫だったんじゃないかなと思います。

どんなところに住もうとも、そこには隣人が居て、良い人、嫌な人が居て、足繁く通うことになる店があり、好きな食べ物と散歩コースが出来上がるんだと思えば、よっぽど劣悪な環境じゃない限りきっと僕はヨーロッパ圏内ならどこでも住めるなと思えたのが良かったです。

そして、一番? かはわからないけれど、自分の中で気になっていた点として、「自分は革職人として、果たして世界で戦えるのか?」という漠然とした疑問があったんだけど、結果としては、「戦える」という結論に達しました。

こういうときはちょっと謙虚に書くべきなんだろうけど、やっぱりね、そこはきちんと第三者的な視点で正確にしておきたいなと思うんだけど、僕はヨーロッパのハイブランドに勤める分業制の職人たちにはその分野ごとの技術やノウハウで、今のところ勝てる気がしないけれど、ヨーロッパ内で個人でやっている、もしくは少数のスタッフで動いている工房の職人よりも、僕は技術的にもデザインセンスも上だなと思いました。

いくつかの店に行って、実際に作品を手に取って、革の使っている部分とかステッチとか仕上げとかを見たら、「あくまでも俺の判断だけど、これを商品として売っちゃダメでしょ」というレベルのものが多く、もちろんたまたま僕が行った店のレベルが低かったこともあるんだろうけど、とにかく僕の中ではあまり良しとはしないレベルでも、こうして一人前として食っていけている人がいるのであれば、言葉がわからなくても作品の良さだけで十分に食っていけるという自信になりました。

多分だけど、仕上げの良くない革製品はダメになるのも早いはず。
仕上げによってきちんとした形にすることで、引っかからないようにしたり、滑らかに使いやすくするのに、それが出来ていないのであれば、きっとそこからほつれが出てくるんだろうなと思います。

なので結果的に今年は日本にいることになるけど、来年にはヨーロッパに正式に移住します。

国はオランダです。
オランダ国内ならどこでも良いやと思うので、ネットで家賃が安くて広いところを探して、そっちに移住してオランダで起業します。

 

f:id:yamadakazufumi:20170925233855j:plain

そんでこのヨーロッパでの移動生活の中で、かなり濃密だったと思うんだけど、その濃密さにはいろんな要素を含む濃密さがあったなと思ってます。

それは外国語の重要性だったり、仕事に対する姿勢だったり、日本という国の言葉と文化だったり、そして音楽や小説、そして食事だったりと自分の生活に深く関わっていたことを、もう一度掘り返す作業が多かった気がしてます。

そういった要素がかなり突発的に自分の意識の中に入ってくることがあって、落語や諺、純文学やビートルズ、売れないまま死んでいった芸術家、食事の良し悪しと化学調味料。スリとホームレス。安いスマホとちょうどいいサイズのカメラ。メモ帳の重要さと細いペンの貴重さ。

僕はずっと引越しを繰り返す人生にいつしかなって、今回の引越しで本当に数多くのものを処分しました。

大げさじゃなく、今の僕の全ての持ち物は、バックパックとスーツケース1個分だけ。
他に僕の所有物は無いというこの状態だと、本当に必要なものって何かとか、自分が好むものは何かについて深く考えることになりました。

そしてこれは極論になるのかわからないけれど、「必要なものは全部金で買えるから、実際のところ、本当はモノなんて何もいらないんだ」という点と、「大事だと思えるものでデータ化出来るものは、可能な限りデータ化しちゃえば、それは自分が死んでも残る貴重なもの」だという考えでした。

そしてこれは逆説になるのかはわからないけれど、そういった必要なもの、不要なものが感覚的につかめてきたことで、ようやく僕は「もうそろそろ一か所に腰を落ち着けて生活しよう」と思えるようになったってことは、これ自分にとってとても大きな進化であり、変化だなと思っているわけです。

はぁ、本当に良い3か月でした。

お世話になった皆さん、どうもありがとうございます。
そして次の再会を楽しみにして、一度日本に帰ります。

あー、本当に面白かった。面白かったし、これだけ充実したらもう自分の人生は本当に満足だったと言えるので、これからは体を大切にしながら酒を飲んで、いろんなことを愛でる毎日になればこれ幸いでございます。

そんなわけで、このブログは一段落。

次からは「一時帰国編」に突入致します。

日本にいる友人、知人、家族の皆さん。
可能な限り一緒にメシ食って酒を飲みましょう。

実感湧かず

f:id:yamadakazufumi:20170925040336j:plain

帰国するっていう実感が全然無い。
「どれくらい実感がないのかをわかりやすく説明しろ」って誰かに言われたら、多分きっと「ホテルの朝食が無料で食べ放題だから、めちゃめちゃ朝に食べ過ぎて一日具合悪くなることを想像してなかった」ってくらい実感がない(全然伝わらないなこれ)

今日はデンハーグの蚤の市に行き、「フランスの10倍高いな」っていう印象だけを得たのと、デルフトっていうハーグの隣町はどんなところか見に行ってきたけど、特に個人的には何も感じることもなく1時間も滞在せずに帰ってきた。

ただ、フランスの小さな村と違い、オランダの小さな村たちは良い意味で没個性的な感じがして、結局どこもさほど大きな違いが無いってことがわかったような気がしたので、これは住む場所を探すときにあまり後悔しなくていいなと思ったのが今回の収穫です。

なのでオランダでの家さがしは、革屋さんが近くにあり、それなりに新鮮な魚屋があればもうあとは全部おっけー、というとっても曖昧な基準で決めることになるんだろうなと思い、とりあえずは先に家を決めてしまい、どうしても違うところに引越したいなと思ったときにまたきちんと探し始めれば良いのかなとかも思いましたわ。

あぁ、明日で一応ラスト。

全く実感の湧かないまま、明日は大使館に行ってみようと思います。

ミュージシャンになりたい

f:id:yamadakazufumi:20170924032624j:plain

いやー、全然きちんと写真撮ってないな。
こんな写真ですんません。日本帰ってフィルムの現像を楽しみにしとこ。

現在、オランダの西端の方にあるデンハーグって街の更に海沿いの町。
宿泊費が安かったってのが最大の理由でこっちに来たんだけど、それと同時に旅の終わりは海を見て終わらせるってのはなかなか粋だなと思って3日間滞在するんだけど、さっき海に行ってきたらなんかめちゃめちゃビーチみたいになってて、人がたくさんでうんざりして帰ってきた。

海は静かな方が好きですわ。
というか、人が多いところはどこも嫌いですわ。

で、ホテルに戻り、今日は泥酔すると決めていたのでビールとワインを飲み、フルーツとチーズとハムを食べながら一人でYouTube祭り。

このところ、奇妙礼太郎の天才バンドをよく聴いていて、完全に酔っ払ってるってのもあるんだろうけど、「ロックンロールべいべー」を聴いてなぜか落ち込み、そして今まで泊まったどのホテルよりも狭いこの部屋の片隅で「ミュージシャンになりてぇ」とつぶやいたのでした。

いいよね、ミュージシャンって。羨ましいわ。
あぁ、特にヨーロッパに来てから楽器やりたいのよね。
そんで田舎に住んで夜にギターをばーばー鳴らして、一人で酒飲みながら近所迷惑なんて全く気にせずに喉が枯れるまで歌えたりしたら、そりゃもうさぞかし気持ち良いんだろうなぁって思う。

現在こちらは20時半過ぎ。

まだまだビールとワインのストックはたっぷりある。ハムもチーズもブドウもパンもプリングルスもある。

旅の総括として一人で誰とも喋らずにヨーロッパに来てからのことはもちろん、それ以前、それ以前、それ以前とどんどん自分の過去を振り返っていく時間を作り、結果それがとても有意義で、そして有意義なのと同時にもっとどうにかまともな人間になれんものなのかと自責の念がごちゃごちゃと覆いかぶさってきています。

あぁ、くそったれめ。飲むぞ、飲むぞ、飲むぞ、このやろう。
というか、お前、飲めよ山田。

今日はたっぷり飲んで、自分の至らない点、くそったれな点、昔から変わらないしょうもない点、悔やまなきゃいけない点、もしかしたらちょっとだけ褒められても良いのかなっていう点(自己採点)、を全部ぐっちゃぐちゃに混ぜ込んで、安い酒飲んでいろんな感情を吐き出せたらいいなと思う。

たまには、そんな夜があっても良いはず。

そしてやっぱり僕は、酒は一人で飲むのが一番好きな気がしてる。

気が付けば、残り数日

f:id:yamadakazufumi:20170922174325j:plain

光陰矢の如しって言葉ってのを実感することって、割とあるにはあるとは思うんだけど、気が付けば残り数日で一度帰国します。

成田に着いたら、三宅くんの家に2日か3日お邪魔させてもらって東京都内でなんかいろんな手続きとかをしてから富山に行き、そこから3か月程、僕が10年前に働かせてもらってネットショップのノウハウを教えてもらった金澤さんのところでお世話になります。

明日からはハーグ(Den Haag)に移動して、火曜日の飛行機に乗るまではハーグ市内を歩いて、革屋さんに行ったり、多分美味いであろう魚とかを食べてぶくぶくと太り、帰国して三宅くん一家に(こいつ、また太ったな)って感情を隠した表情で、「山田さん、髪切ったんすね」と、タモリみたいなことを言われて僕は苦笑いをし、その後富山に行ったら、金澤さん夫妻に「ダーヤマ、お前デブやろ」と、富山県民特有の(いや、金澤さん夫妻特有の、か?)あのカラッとした一言で僕は深く傷を負うことになるんだろうなと思っておりんす。

旅の総括はハーグの悪趣味なホテルでパチパチと長文でも書くべかな。

そして今はフィッシュ&チップスが食べたいです。

国の違い、教育の違い

f:id:yamadakazufumi:20170919051248j:plain

オランダという国には全然山が無くて、元々の標高も低いみたいなのでとにかく川や湿原、湖など水に関連するものが沢山あります。

先日、chavoとメシを食いに行ったときに教えてもらったんだけど、オランダの小学生たちはかなり早い段階から水泳の授業があるらしく、いくつだったけな? まぁとにかくこれまた早い段階で、「服を着た状態で泳ぐ授業」みたいなのがあるんだってさ。

いや本当ね、至るところに水路や池があって、中には水面に水草が沢山あってそこに水があるのかわからんってところも結構あるので、恐らく今までにその豊かな自然の力で命を落とした小さい子も沢山いるのかもしれないなと思い、そういう土地での暮らしの中でその国の子供たちの出来ることの幅って変わってくるんだろうなと思った。

 

f:id:yamadakazufumi:20170919051246j:plain

今日、革を買いに行った小規模な町。

風車があって「オランダだなぁ」ってこれを見ながら小さく独り言を言ってみたりしたんだけど、それ以外はまぁ割と普通の地方都市って感じで、小さな商店街とその街の規模に合わせたチェーン店があって、革を買い終わったんでカフェにでも入りたいなと町の中をウロウロとしたんだけど、全然開いてる店がなくて、どうすっかなと思っていたときに一軒のパン屋を発見。

外にテーブルが出ていたんで、パンを買ってコーヒーがあればコーヒーも注文して、午前中のオランダを満喫しようではないかとそんなに天気は良くなかったけど、ぼーっとしていたんですが、いやもうね、今回ヨーロッパに来て飲んだコーヒーの中で抜群に美味しかった。

「旦那、うちはね、コーヒーにはこだわってまっせ」ってお店のコーヒーもそりゃもちろん美味いんだけど、全然こっちは期待してなくて、どっちかというとパンをメインで入った店のコーヒーが美味いってのがこれまたずるいよなぁと思ったりしちゃって、この衝撃は沖縄に住んでいたときに那覇のホテルに泊まって、そこのロビーにあった宿泊客が無料で飲めるコーヒーの美味さに匹敵するくらいの美味しさでした。

あー、そんな遠くないからまた行きたいわ。

コーヒーを飲みにパン屋に行くってのも悪くないんじゃないかなと思うんよね。

 

f:id:yamadakazufumi:20170919051304j:plain

で、そのパン屋を出て駅に向かって歩いていたら、なんか急に女の人がすたすたと歩いて川の方へと行き、持っていた袋からパンを取り出してポイポイと宙に向かって投げたら、あんたら今までどこに居たんよ? っていう数の白い鳥たちがぶわーっと寄ってきて、ニャアニャアみたいな声で鳴きながらそのパンをみんなで取り合いしてました。

僕もこれは参加したら面白いだろうなと思って、「俺もやっていい?」って訊きに行こうと近づいたらパンはもうなくなってしまったらしく、僕と目が合ったこの女性がニコリと笑ってウィンクしてくれました。

あぁそうそう。

多分だけど、オランダ人ってすごいウィンクする人多いよなぁと思うんです。

今日も革屋に行こうと電車に乗って行ったんだけど、降りるときになって前にいた女性が電車の揺れでちょっとふらっとしたので僕が咄嗟に手を出したら、ありがとうと言ってウィンクをしてくれたし、肉屋に行って薄切りの肉を注文したら、そこの店員のオニーサンというか、僕と同世代くらいの男の人もウィンクしてくれたし、今朝パンを買いに近所のパン屋に行ったら、そこの可愛い子ちゃんの店員も、「ハブアナイスデー」ってウィンクしてくれたりして、これね、ちょっと迷うよね。

みんな僕より大抵身長が高くてさ、そんでこの38で威厳みたいなものが全然無い男がウィンクしても良いものなのかどうなのか。

ただ、元来僕は多分、お調子者かお調子者じゃないかで言えば、どちらかと言うとお調子者の部類に入る方だと思うので、先日服屋に入ったときに店員のおねーさんが僕の着ているコートみたいなのを見て、「ナイスジャケット」みたいなことを言ってくれて、最初はうわうわってなってぐちゃぐちゃっとした会話になったんだけど(褒められると何て返せばわからんくなる)、簡単に自分が気になった服の値段を訊いて、おねーさんがしているベルトが格好良かったんで、「そのベルト、クールだね」って言ったら、「ありがとう」って言われたので、とりあえずここはお調子者としては一つ女性を喜ばせるべきだろうと思い、「そして君はとてもキュートだよ」って言ったら、「あはーん、ありがっとー」みたいな感じで言われ、僕とおねーさんはがははと笑って店を出ました。

以上、お調子者の38歳からの報告でした。