そうさ、僕らはシティボーイズ 5月22日編

 髪が伸びてきた。
 オーナーやホソップや奥さんに 「ってか髪伸びるのはやいよね」 って言われるも、特別それは気にせずに 「えぇ はやいんすよ」 と答えること数ヶ月。
 坊主頭のホソップと僕の成長の早いの髪の長さは日に日に差が広がっていき、現在は僕が鬼太郎で、ホソップがこなきジジィといった妖怪大戦争的な儚さで以って太陽は昇ったり降ったりを繰り返している。
 そんな僕が、髪が伸びて一番困ることは何ですか? って誰かに訊かれたら、迷わずこう言うだろう。
「職場に行くときにオーナーと取り替えた自転車(通称:マイケル・ジャクソン号)で出勤するんだけど、職場に着いた頃には後ろ髪がファサーって広がり、末広がり的な縁起の良い催し物みたいになるのが色々とめんどい」 ということである。
 だからこのところ僕が職場についてまず最初にすることは、速そうなバイクに乗った長髪の女性が、フルフェイスのメットを脱ぎ、髪を ファサー って直す感じのことをしているのだ。
 そう、そして、それが終わればお約束の
 真紅のルージュを唇に塗り、ソバージュをあてる
 そう
 それが
 ソフィスティケートだ。
 そんな都会派でめちゃんこイケイケのボクチンは、このところ毎日納豆を食っている。
 そう、腐った豆を毎日食っている。
 美味い。
 あのー、なんだっけ? あのなんとかっていうすでに故人となった美食家の、あの、ほれ、なんだっけ? 男の人でさ、あの、美食家の人いたでしょ?
 うん、その人だ。
 その人が言う納豆の美味い食い方は、「とにかくこねてこねてこねまくることだ」 という言葉をなんとなーく覚えていたので、よし、沢山こねてから食ってやるぞなもしとこねこねし始めるんだけど、5回くらいこねたところでめんどくなって
「別にこねなくても美味いし」 と、面倒な作業が嫌いな僕は、全然こねられていない納豆を白米にばさーっとぶっかけて、もちゃもちゃと食べる。
 そう、そして、それが終わればお約束の
 真紅のルージュを唇に塗り、ソバージュをあてる
 そう
 それが
 ソフィスティケートだ。
 そんな洗練された、めちゃんこイケイケのボクチンは、このところ毎朝猫に煮干をあげている。
 都会派で洗練された男の家に、なぜ煮干があるのか?
 味噌汁の出汁を取るなら、煮干は欠かせないからね(←庶民派)
 It’s ソフィスティケート。
 It’s so ソフィスティケート。
 こうして僕は今晩も、バーボンロックを飲みながら、靴下でドーナツ作りながら、腕の毛で蟻んこ作りながら、髪にソバージュをあてるのだ。
 It’s so ソフィスティケート。

そうさ、僕らはシティボーイズ

 
 仕事に行く前にすることは、
『パソコンの電源を入れる』→『ストーブをつける』→『コーヒーをつくる』→『それを飲みながらブログを書く』→『書き終えて風呂に入る』→『なんやかんやで出勤だ』
 という順を追って生活しています。完全に一つの生活リズムになっているんです。
 そんで、コーヒーの話なんですが、もうね、朝からアホみたいにコーヒーばっか飲んでます。
 とりあえず、現段階で4杯目。また作り直したのでストックは3杯。
 前々から書いていますが、ほんっとに僕という人間は映画・小説に影響されます。
 多分、一ヶ月くらい前に観た『コーヒー&シガレッツ』の影響なんです。未だにそれが抜けません。
 とにかくね、カッコイイんすよ。そのなんていうか、台詞とかキャスティングとか、シーンとかが。その映画にトム・ウェイツも出てくるんですが、もうね、『シェー』ってくらいにカッコイイんす。
 そのおかげで、仕事に行ってからとんでもなくトイレに行きまくり、その度にタロちゃんに『近いっすね』って言われます。
僕 『近いよ。え? 何? おっさんだと思ってるしょ?』
タ 『いや、そんなことないっすよ』
僕 『ホントに?』
タ 『ホントっすよ…。 でも山さん、やっぱ、トイレに行きたくて夜中に目を覚ましたりするんすか?』
僕 『…。 おっさんだと思ってるべ?』
タ 『多少…』
僕 『シェー』
タ 『出たっ!! シェー!!』
 そんなチョッピリ、オシャレな会話。
 そりゃね、21歳のチンチンボーイにしてみれば、あと3ヶ月で28になる男なんてのはおっさんですよ。 左頬にあるホクロから毛が生えてるしさ。でもね、まだまだ大丈夫です。加齢臭もまだ出てきてません(知らんけど)
 あ、そろそろ風呂に入る時間です。
 ワシャシャっと体を洗います。
 そういえば、昨日布団に入りながら『もし自分に子供が出来たら、名前は何にしよう?』と考えて、色々な案を出しました。そんで、一人でニヤリとしてました。
 その名前は
 ズバリ
 ハイ、また明日ー。

そうさ、僕らはシティボーイズ(姫編)

 昨日、ミクシィで知り合ったハンマー君が店に遊びに来た。

 彼から電話が掛かってきたとき、僕は向かいにあるスーパーでウンコをするぞというときで、トイレの中で『あぁ、ちょっと待ってておくんなせぇ』と話をし、とにかく僕の中から出た排泄物をビリビリとそれはそれは排泄していた。

 スーパーの前で彼は待っていて、こんちはとお互いに挨拶をして店に入った。

 店の中でなんやかんやと話をし、コーヒーでも飲みに行きまっかと外に出て、僕らは一時間近く『環境破壊への苛立ち』『人種差別とその傾向』『今後の中国の動きとその対策』などは話さず、5割をウンコの話でまとめ上げた。

 さてそろそろ店に戻ろうかと、僕らは来た道を戻り、店に戻った。

 僕の店の隣の店主、通称『姫』がお客さんと話をしていて、僕とハンマー君を見つけた彼女は、軽く会釈をしてまたお客さんと話をし始めた。

 ちょっとだけ技術的な話だったり、こういうのって売れるんすよといった話をして、じゃあそろそろ帰りますとハンマー君は店を出た。

 僕は残り1時間で、さーて何を作りますかねと机の前でウンウンと唸っていると、姫が『やまだく~ん』と甘えた声を出しながら、僕の店に入ってきた。

僕 『おつかれ。なに?』

姫 『さっきの人友達?』

僕 『ミクシィで知り合った人だよ。今日初対面ってやつさ』

姫 『ふーん』

僕 『なしたの?』

姫 『あの人さ、格好良いね』

僕 『うん。背高いし、好青年だったよ』

姫 『彼女いるのかな?』

僕 『いないって言ってたよ。もう1年くらいいないってさ』

姫 『うそー!! もう来ないの?』

僕 『いやわかんない。だって俺、ちょっとテンション上がってさ、ウンコの話ばっかしちゃったんだもん』

姫 『…』

僕 『なにさ? 惚れたの?』

姫 『…。 いや、私格好良い人ってダメなの。なんか緊張するからさ、ちょっとくらい崩れてるほうが話しやすいしょ』

僕 『まぁそうだよね。俺もさ、イトウミサキと話すよりは、姫と話すほうが気が楽だもん』

姫 『…。』

僕 『あらやだ。怒っちゃったのかしらこの子』

姫 『…』

僕 『あら? もしかして、俺と話すのもすんげードキドキしてんじゃないの? 俺ったらさ、なんつーかその、一瞬で女の子を凍りつかせちゃうくらいのフェロモンっつーの? そういった魅力があるにはあるし、それでいて全く気取ってないってところがとっても可愛いよね? ウンコの話とはするにはするけど、あまり汚らしい感じがしないじゃない? そのつまりね、ウンコっていうよりはさ、うんちっていう方がしっくりくるっていうの? だよね。ウンウン。やっぱりね、北のステキングっていうのもあながち拡』

姫 『デーブ』

僕 『ワーォ』

 そんなちょっぴりオシャレな会話。

そうさ、僕らはシティボーイズ

 バイト先。

 厨房の仕事には慣れ、後輩も2名入ってきたということで、まだ始めて3ヶ月ではあるけれどちょっとだけベテランのポジションになった。

 何度も書いているけれど、念の為に書いておこう。

 僕のバイト先は女性ばかりのショットバーで、男性は僕一人。

 よって、やりづらい部分があるにはあるが、女の子に囲まれた職場というのは悪いもんじゃない。

 その現場で昨日起きた、ちょっとしたソフィスティケートトーク。

 バイト先の従業員は全部で6人である。

 オーナーであるママ。

 クールガールのしずちゃん。

 時々パンツが見える、元ヤンのさおちゃん。

 22歳のフレッシュな彩ちゃん。

 20歳の新人、可愛いともちゃん。

 そして僕だ。

 皆それぞれ、↑のようにお互いを呼び合う。

Q『ママ』  A『なに?』

Q『しずちゃん』  A『ん?』

Q『さおちゃん』  A『はーい?』

Q『あやちゃん』  A『はい?』

Q『ともちゃん』  A『ハーイ?』

 だが僕だけは、ママ以外の人達には 『山田さん』 と呼ばれている。

 つまり

Q『山田さん』  A『ウィ』 だ。

 女性というのは良いもんである。

 なぜなら、かなりの高い確率で 『名前の語呂が良い』

 大抵の場合、上の二文字+ちゃんでOKである。

Q『○○ちゃん』  A『ハイハイ!!』 である。そこに不穏な空気が発生することは皆無に等しい。

 でも僕は、皆が互いに 『ちゃん』 をつけて呼び合っている現場にいて、自分だけ 『山田さん』 という100%、無添加の状態で呼ばれるのがなんだか気に食わなかった。

 そこで僕は、クールガールであるしずちゃんにこう言った。

僕 『ねぇねぇ、しずちゃん』

し 『ん?』

僕 『なんかさ、みんなフレンドリーな名前で呼び合ってんのに、俺だけなんで 「山田さん」 なの?』

し 『え? 良いじゃない別に。あんた山田なんでしょ? だから山田さんで良いじゃない』

僕 『嫌だ。なんかこうさ、とってもフレンドリーな感じで呼んでよ』

し 『えー。気持ち悪い』

僕 『気持ち悪いって何さ? あんたいい加減にしなさいよ』

し 『気持ち悪い。お母さんみたいなこと言うな』

僕 『シェー!! いいからさ、今日だけで良いからちょっとフレンドリーにしてみてよ』

し 『ハイハイ、わかりましたわかりました』

僕 『「ハイ、わかりました」 でしょ? なんで2回言うの』

し 『ウッセェー…。』

僕 『ね? とにかく今日はフレンドリーで、いや、コールミー フレンドリーでお願いします』

し 『で? 何て呼べば良いの?』

僕 『何が良いかな?』

し 『…。』

僕 『…。』

し 『山田さん』

僕 『はい?』

し 『下の名前何ていうの?』

僕 『俺の? 俺ね、カズフミ』

し 『…。』

僕 『…。』

し 『山田さん』

僕 『はい?』

し 『長い』

僕 『シェー』

 そんなちょっぴりオシャレな会話。