第1回 Film☆Camera。 写真展

フィルムカメラで嫁を撮る-1

2010年11月1日、僕は嫁をフィルムカメラで撮影し始めた。
いろんな言葉や行動や、記念日に贈るささやかなプレゼントで嫁を喜ばせることも出来るけれど、僕にとっての楽しいなぁという気持ちを目に見える形として残したいと思ったのかもしれない。

フィルムカメラで嫁を撮る-2

撮る場所は自宅か我が家の周辺がほとんどで、ゴミ捨ての時間やちょっとした散歩、3時のおやつのあとのだらだらを僕は好んで撮る。

フィルムカメラで嫁を撮る-3

怖いのは間違った向上心だと僕は思う。
大切なのは通奏低音のような愛情が続く、二人にとっての心地良い暮らしの繰り返しだ。

フィルムカメラで嫁を撮る-4

ある日、僕は嫁に言った。
「ねぇ、カメラってさすごく面白いよ。どうせならこの楽しみを共有したいんだけど」

すると嫁はこう言った。
「実はずっとやりたいと思ってたんだけど、二人でやると真似っ子みたいで嫌かなと思ってた」

その日、僕が使っていたデジタルの一眼レフをプレゼントし、どこに行くにも二人ともカメラを持った。

フィルムカメラで嫁を撮る-5

「このカメラ欲しい。ゴロばっかりいろんなカメラ買ってるのはずるい」と嫁は言い、気付けば銘機GRを使い始めた。
いつの間にかこのカメラと嫁は僕の中でセットになった。
ストラップは僕が作ったものをプレゼントした。

フィルムカメラで嫁を撮る-6

機械はそれほど得意ではない。
でも嫁は粘り強い子なのだ。

フィルムカメラで嫁を撮る-7

嫁の撮る世界は嫁の人柄がとてもよく出ている。

フィルムカメラで嫁を撮る-8

「あっ」と思ったもの、はっとする色、ふざけた旦那、おかしな動物たち。

フィルムカメラで嫁を撮る-9

僕は人に対しては正面から「こんにちは、写真撮らせてください」と言えるけれど、嫁の動物へのあくなき愛情と行動力には全く勝てない。

フィルムカメラで嫁を撮る-10

嫁がカメラを意識しなくなりつつあることと、僕のピント合わせの時間が前よりちょっとだけ速くなったことで、普段の嫁の表情を少しずつ撮れるようになってきた。

フィルムカメラで嫁を撮る-11

ぼかぁ、きみがぁすきだぁ。と誰かのものまねっぽい言い方で時々伝えることがあるけれど、それはやっぱり架空の人物のものまねで、でも僕のような人間は目を真っ直ぐ見てちゃんとした言葉で伝えるよりも、こういう濁し方で言った方がより僕の表現の本質に近付いているのだと思って欲しい。

フィルムカメラで嫁を撮る-12

いつからか僕はいろんなものを敵と考えて、なるべく誰にも依存せず、誰からも干渉されず、誰からも意見されないようにと思っていたけれど、嫁と結婚してから僕のその考えは少しずつ変化してきている。
それは、嫁の目の力なのかもしれない。

嫁さん、今日も楽しいですか?
今、お茶を入れてくれている嫁の普段のそのままの姿をこれからももっと撮り続けたいと思っています。

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【ちょっとしたアンケート】

①フィルムカメラを持ったきっかけは?

なんでだっけ?
たぶん、デジタル一眼にはまっていたときに実家に帰ったら、昔使ってたカメラあげるわと母親にコニカのカメラをもらったのがきっかけだったはず。

でもその日の帰り道にリサイクルショップに寄ったら、僕が大好きな映画「SMOKE」の中でハーヴェイ・カイテルが使っていたカメラを発見してすぐに買って帰った記憶も曖昧ながらあったりする。

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②フィルムカメラを使う理由

安いデジタルじゃ満足出来なくなったみたいです。色の奥行とかしっとり感とかそういうの。
いつかフルサイズのデジカメを買える日がきたら、そのとき真剣に考えようかなと。

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③もし人生で最後のフィルム1本を使うことになったら何を撮る?

嫁とか近所の人たちとか家族とか。
人ばかり撮ってフィルムが無くなっても、フィルムを取り出して撮ったふりとかしてそう

ちょっと更新が遅くなっちゃいましたが、この企画に参加出来て楽しかったです。